小型UAVの世界に入る前に、まずは最も重要な設備を紹介したいと思います。01編に引継ぎ、ここではマルチコプター構造を持つ無人航空機に重点を置きます。固定翼などほかの構造を持つものは、今回は紹介しません。
- フライトコントローラー:マルチコプターの魂と言える部分です。小型パソコンみたいな存在で、機体制御の役割を担っています。01編で紹介したいろいろなオープンソースプロジェクトでは、その部分の設備の開発に取り込んでいます。
- 航空機体:マルチコプターはプロペラの回転スピードで登る・降りる・左/右へ・前/後ろへ・ホバリングになるように操作します。

プロペラの回りについて、トルクの反作用が影響しないように、隣のプロペラ同士/反対側のプロペラ同士はそれぞれ違う方向の回りになっています。
要注意!これは初心者のよくあるミスです。マルチコプターでは、時計回りと反時計回りという2種類のプロペラがあるので、モーターの回りに応じる正しいプロペラを使っているかどうか、注意してください。
マルチコプターの中、一番シンプルな構造をもつものは、4本のプロペラのクワッドヘリコプターです(3軸と2軸のものは追加コントロールシステムが必要となります)。「+」の構造を例として説明すれば、前へ移動するには、後ろのプロペラをスピードアップして、前のプロペラをスピードダウンします。後ろ・右・左へ移動するのも同様です。
登る・降りるには、4つのプロペラを同時にスピードアップ・スピードダウンすればいいです。ホバリングするには、時計回りのプロペラをスピードアップして、反時計回りのプロペラをスピードダウンして、トルク反作用を増大すればいいです。逆回りではその反対にします。
こちらの動画(約2:11)ではもっと分かりやすいと思いますが、参考してください。http://youtu.be/4ErEBkj_3PY
- リモートコントロールシステム:オートパイロット機能が起動されていない時、無人機をコントロールするに使う設備。
以上は無人飛行機に欠かせない3つのシステムです。
応用システムも3つありますが、下記のようになります。
- 撮影システム:カメラなどの撮影設備を取り付けて、機体の揺れや振動で撮影画面に影響しないようにする設備。
- 映像伝送システム:撮影画面をリアルタイムで地面にいるユーザーに送信する設備。
- データ送信システム:無人飛行機の姿勢、位置、高度、スピードなどのデジタルデータをユーザーに送信する設備。
このシリーズの文章を書く前にずっと迷っていますが、すべての部分も細かく紹介するか、それとも概要を一通りで紹介するか、と。前者では、自作の時の小さいミスが避けられますが、内容がうるさくなります。後者では、すぐ読み終えますが、実際に作る時はどじってしまうこともあります。
いろいろと考えて、最初は機体を飛ばすまでの要領を簡潔に紹介し、その後、より詳しい説明を文章に追加することにしました。
というわけで、ここではまず、手頃な値段の、適切なパーツの入手方法を紹介します(今後アップグレードの必要性も考えるので、一番安いものを紹介するとは限りません)。簡潔なマニュアルのように、よくあるミスだけ書きます。もし何か質問があったら、コメントで質問を出してください。解決方法があれば、皆さんにも紹介しますから。
初めての場合、フライトコントローラーはAPMのものを使ったほうがいいと思います。APMは一番多く使われるオープンソース製品です。使いやすいソフトを持っており、関連資料もたくさんあるものです。
航空機体について、自作では安くて簡単にできます。初めての場合、互換性がある安いものを使ったほうがいいと思います。今後(もし時間があれば)そのアップグレードなどの方法も紹介したいと思います。
リモートコントロールシステムについて、今後アップグレードや設定の問題で困ることがないように、品質のいいものを使ったほうがいいと思います。