ハードウェアの部分はほぼ終了したので、ここでは一番重要なポイント、ソフト設定方法を紹介していきます。
要注意!APMをパソコンに接続する前に、ソフトのインストールをしなければなりません。そうしないと、ドライバーが見つからないなどのエラーが出てきます。
筆者のパソコン環境はWin7 Professional 64bitなので、処理速度がより速いです。MissionPlanner(以下、MP)はJAVAのものなので、インストールに時間がかかります。
まず、こちらのページで「MissionPlanner」をダウンロードします。

ダウンロードしたソフトを開きます。

説明を沿ってすれば、必要なドライバーが自動的にインストールされます。「DirectX」エラーメッセージが出てきたら、DirectXダウンロードセンターからのアップデートソフトでアップデートします。下の画像のメッセージが出たら、このドライバーソフトをインストールします。

インストール終了後、MPを開きます。この「MissionPlanner」は自動的にアップデート情報をユーザーにお知らせします。
次に、送信機をオンにして、APMをパソコンに接続。

10秒くらい(パソコンのスピード次第)経ったら、自動的にインストールが進みます。画面右下のアイコンが消えたことは、ドライバーのインストールが終了したことです。(筆者のパソコンはインストール済みの状態なので、終了画面画像を見せることができませんが…)
右上の「connect」を押すと、MPがAPMとつながります(「AUTO」に選択すればいいです)。
要注意!!ほとんどのAPMは出荷前ファームウェア書き込み済みの状態です。バージョンがそれぞれ違いますが、いずれのバージョンでも基本情報は表示されます。もし「デバイスが見つかりません」などのエラーメッセージが出たら、ドライバーのインストールに問題がある可能性があります。ファームウェアが書き込まれていない場合もエラーが出てきますが、詳しい状況が分かりません。もしドライバーの問題でないと分かれば、ファームウェアをインストールしてみてください(インストールの方法について、後で説明します)。
=システムテスト=
この段階では、マルチコプターの動きにつれて、MP画面上の左上にある水平線も動きます。たとえばマルチコプターを左へ傾けると、水平線が右へ傾きます。
ロシア版モードのほうに慣れている人は、水平線のところに右クリックして、「Russian Hud」を選択すればいいです。
水平線の動く方向を確認してください。方向が正しいことは、APMのインストールに成功したことです。
何かエラーが出た場合は、ほとんどドライバーのインストールに問題があります。Windowsに詳しい人だったら、デバイスマネージャーでエラーの原因を研究しましょう。何か質問があれば、掲示板などで質問を発信しましょう。
次ですが、「INITIAL SETUP」→「Mandartory Hardware」 →「Radio Calibration」に入ります。設定画面は下のようになります。

モード2場合:
Roll → 右側の左右
Pitch → 右側の上下
Yaw → 左側の左右
Throttle → 左側の上下
モード1の場合:
Roll → 右側の左右
Pitch → 左側の上下
Yaw → 左側の左右
Throttle → 右側の上下
ここで注意してもらいたいことがありますが、ピッチゲージの数値がスティックの倒す方向と反対になる、つまり、スティックを上へ倒すと、ゲージ値が減るようにする必要があります。
FrSky X9Dを例にしましょう。
メインメニューで「MENU」を1回押して、「PAGE」を6回押すと、「SERVOS」に入ります。(下の画像を参照)

右の「-」を押してCH3を選択して、「ENT」を1回押すと、CH3が設定可能なようになります。
「-」を4回押して「—」を選択して、「ENT」を押すと、「—」が「INV」になります。
そうすれば、スティックの倒す方向が画面上のピッチゲージと反対になります。(ほかの種類のプロポも上記のように設定してみましょう)
設定終了後、「ENT」を3回押すと、メインメニュに戻ります。
前回の文章では、5本のケーブルで受信機をAPMに接続すると説明しましたが、ここでは、マルチコプター飛行モードの切替として、CH5を3段式スイッチで操作するように設定します。
FrSky X9Dを例に説明します。設定方法は下記のようになります。
メインメニュで「MENU」を1回押して、「PAGE」を5回押すと、「MIXER」に入ります。(下のような画面です。筆者の場合はCH26までありますが、何も設定していない場合はCH1~CH7だけです)

「-」を押してCH5を選択して、「ENT」を押すと、「INSERT MIX CH6」に入り、Source S2の「S2」が選択されます。
そして、「ENT」を押して、「SE」が出るまで「-」を何回か押します。「SE」が出たら、「EXIT」でメインメニュに戻ります。
この時、プロポの左上のスティックには「SE」と書いてあるか確認してください。「SE」と表示されているスティックは、CH5を操作するものです。操作してみれば、画面上の「Radio5」で反応が出るはずです。
ほかの種類のプロポでは、どのスティックでどのチャンネルをコントロールするかは、説明書で確認しましょう。
Futabaのものには、CH3スロットルを「REVERSE」に設定する必要のあるものもありますが、注意してください。
以上の手順について、もし何か質問があったら、コメントで質問してください。
=ファームウェアのインストール=
ドライバーがインストールされているのに、上記のシステムテストを進めても反応がない場合、お手元のAPMにファームウェアがインストールされていないかもしれません。その時、下記のようにファームウェアをインストールしてください。
arduiplot.comで、この手順は最初に進めることだと書いていますが、先にシステムテストをすることがおススメです。それは、製品にもし何か不良や不具合があったら、早く発見できるからです。
これからファームウェアを書き込みます。画面右上の「DISCONNECT」をクリックします。(クリックする前に、APMをパソコンに接続していて、ドライバーもインストール済みの状態であるか、確認してください)
MPの「INSTAL SETUP」→「Install Firmware」に入ります。

「ArduCopter V3.1.3 Quad」を選択。(この画面では、APMはマルチコプター以外、固定翼機、ヘリコプター、RCカーにも対応することが分かります)
「Are you sure you want to upload ArduCopter V3.1.3」というメッセージが出たら、「Yes」を選択。「Uploading Firmware」→「Verify Firmware」という順番で進みます。警告メッセージが出たら、「OK」をクリック。(何の警告か分かりませんが…)
これはインストール終了の画面です。
インストール中は何も操作しないでください。失敗したらやり直してください。

次に、「FLIGHT DATA」に戻して、右の「CONNECT」をクリックします。そうしたら、地平線が正常に機能し、プロポの「INITIAL SETUP」でも正常に反応するはずです。
お手元のAPMのファームウェアバージョンがどれか分からないので、ファームウェアを再書き込むほうがはやいかもしれないと思って、上記のように紹介しました。
=初期化パラメータークイック設定ウィザード=
次は一番大事な初期化パラメーター設定です。MPのクイック設定ウィザードでは簡単に設定できますが、英語で表示されているので、英語母語話者でない人にとっては難しいです。
ここで詳しく説明していきます。
APMとMPがつながっている場合、MPの左3番目の「INITAL SETUP」をクリックすると、ウィザードに入ります。初期化が終了した場合は自動的にもとの画面に戻りますが、戻らなかったら、もう一度「INITAL SETUP」をクリックします。
左下にも「Wizard」のボタンがありますが、このボタンで進めば、最後に「finish」をクリックしても終了不可というバッグがあります。参考してください。

まず、マルチコプターのタイプを選択します。4軸のファームウェアがインストールされているので、4軸のものだけ出てきます。
左上のものを選択して、「NEXT」をクリックします。

ここでは万有引力センサーの校正をします。「Start」をクリックします。

画像のようにAPMを置いてください。約20秒置くと、次の手順に入ります。
平らな地面に20秒置いてください。

APMコントローラーの左側を下に、20秒置いてください。

APMコントローラーの右側を下に、20秒置いてください。

APMコントローラーの前部を下に、20秒置いてください。

APMコントローラーの前部を上に、20秒置いてください。

APMコントローラーの裏側を上に、20秒置いてください。

校正に成功したら、下の画像が出てきます。

失敗してしまったら、下の画像が出てきます。その時はやり直してください。

=コンパスキャリブレーション=
この校正はちょっと難しいので、練習が必要です。下の画面が出たら、「Live Calibration」をクリックします。

下の画面では、UAVを回して、各角度を感知するようにします。
ちょっと難しいので、コツを皆さんに教えましょう。
- APMの正面を上に、時計回りで回して、反時計回りで回します。
- 左側を上に、時計回りで回して、反時計回りで回します。
- 右側を上に、時計回りで回して、反時計回りで回します。
- 前部を下に、時計回りで回して、反時計回りで回します。

失敗の時は下の画面が出てきます。

成功の時の画面です。「OK」→「NEXT」をクリックすると、次の画面に入ります。

次は電源モジュールを選択します。電源モジュールは、「03-素材選択について」では購入リストに入れましたが、組立手順を簡単化するために、ここまでは取り付けませんでした。そのため、「What sensor are you using?」で「None」を選択して、「NEXT」をクリックします。

これからはソナーモジュールを選択します。そのモジュールの機能では、UAVがとても低い高さ(約1、2メートル以下)で飛行しても、正確に制御できます。「Enable」項目を空白のままにして、「NEXT」をクリックします。

ここはプロポのチャンネル信号範囲の校正です。「Continue」をクリックして入ります。

この画面は前でも紹介しました。どのスティックはどのチャンネルを制御するかはもうはっきりしているでしょう。
「校準遙控(プロポ校正)」をクリックしてください。

プロポのスティックとCH5をコントロールする3段式スイッチを最大・最小に倒してください。そうすると、MPではプロポの最大値・最小値を赤い線で表示されるように見えます。そして、スロットルを真ん中にして、「Click when Done」をクリックします。

MPで表示されている最大値・最小値を確認して、「OK」→「NEXT」をクリックします。

ここは、スティック機能の設定です。3段式スイッチを操作してみてください。「FlightMode 1」「FlightMode 4」「FlightMode 6」という3つの飛行モードが選択可能です。筆者の設定画面と下記のモード説明を参考してください。
- Stable:機体の前後・左右・上下の安定性をある範囲で確保するモードです。高さとGPSに機能しないため、風やシステム自身の不安定に影響して、ドリフトが生じる可能性があります。
- Loter:上記のStable モードにGPS安定機能を追加するモードです(GPSは室外のみで機能するので、室外でオンにしてください)。機体を空中で止めるようにできます。風やシステム、GPSの不安定に影響して、ドリフトが少し生じる可能性があります。
- RTL:リターンツーホームモード。このモードに切り替えると、機体はAPMの自動制御で直線で戻ります。制御不可になりそうな時に使います。
要注意:Stableモードの設定がまだ終了していない時は、「Loter」「RTL」に切り替えないように。
APMの機能の素晴らしさに感心するでしょう。ここまで紹介するのは基本機能だけです。
設定終了後、「NEXT」をクリックします。

ここでは、前の設定を確認します。GPS部分が赤になっているのは、室内いるので、受信できないからです。(室外に出ると緑になりますが)
一番下の項目は保護機能です。APMは、不意にスロットルを開けてしまうことがないように、飛行する前にプロポで保護機能を解除するように設計されました。

スロットルを左下に倒して10秒、そして、右下に倒してまた10秒。そうすれば、その項目は緑になります。
左下に倒すのはスロットルを停止状態に、右下に倒すのは停止状態から解除する操作です。安全のために、飛行する前には停止状態から解除し、飛行が終わった後は停止状態にします。
設定終了後、「NEXT」をクリックします。

ここは、APMがコントロール範囲を超えた時どのように作動するかの設定ですが、ここではまず飛ばします。「NEXT」をクリックして次の項目に入ります。

ここは「ジオフェンス」の設定です。テスト中、飛行距離が遠すぎるようになってしまった時、自動的に着陸やリターンする機能です。「Enable」にチェックをつけて、初期設定値のままにします。
設定終了後、「NEXT」をクリックします。

設定はもうすぐ終了です。ここには関連参考情報のサイトがありますが、必要な人は参考してください。
「Finish」をクリックします。

これで設定終了です。

最後は自分のマルチコプターに応じてパラメーターを調整することです。
サイズ、設備配置、駆動力、重量などの機体状況は、マルチコプターによって違ってくるので、それぞれの状況に応じてパラメーターを調整する必要があります。機体の飛行方向がずれてしまった時、どのくらいの力、どのくらいのスピードで姿勢補正するかは、そのパラメーターによって算定します。
市販のマルチコプターはサイズも重量も変わらないので、パラメーター設定済みの状態です。重量やサイズに大きく変わらない限り、そのパラメーターを調整する必要がないと思います。
パラメーター調整について、次の文章で紹介しようと思います。新バージョンのAPMは、最適なパラメーターを自動的に判断する「パラメーター調整機能」を搭載するので、調整作業はそれほど難しくはないと思います。でも、その機能は、機体を1回空中へ飛ばさないと機能しません。
そのため、まずは機体を飛ばせるようなパラメーターに設定しなければなりません。幸いに、MPにはそのようなパラメーターがあります。
「INITAL SETUP」→「Mandartory Hardware」→「Frame Type」に入ります。そして、右の「Default Settings」で「3DR_QUAD_X4_RTF.param」を選択して、「load」をクリックします。そうすると、パラメーター値が出てきます。確認して、APMに書き込みます。

これで準備作業はほぼ完成です。バッテリーを充電しておいてください。次の文章では、初めての飛行の仕方とパラメーター調整機能の使用方法を紹介します。