前回の文章の説明では、飛行可能なパラメーターをAPMに書き込んでおく必要があると説明しましたが、ここに問題があります。
初期設定値では飛行安定性がちょっと低いので、飛ばしにくいですが、パラメーター自動調整機能は、まず機体を飛ばさないと機能しません。しかし、一回も飛ばすことのない初心者では、どうすれば安定性の低い機体を飛ばせることができるのでしょうか。
このシリーズの文章に沿って機体を組み立てた場合、ここで紹介するパラメーターを使えばいいと思います。
まず、APMをパソコンに接続して、「CONNECT」をクリックします。「CONFIN/TUNING」→「Extended Tuning」に入ります。もし前回の文章のガイドに沿ってパラメーターを書き込んだ場合、下の画像の設定値が出てくるはずです。

ここで、赤い四角で囲まれた設定値に変更してください。この設定値は筆者自分の機体を飛ばして自動調整を通してできたものです。

変更終了後、「Write Params」をクリックします。(パラメーター調整は今とばしましたが、後の文章ではより詳しく説明します)
次に、本番の飛行に入ります。
初めての飛行の前、最後の確認をします。
「FLIGHT DATA」に入って、地平線の動きが機体の姿勢に応じて変わるかどうか確認します。
停止状態/停止状態解除の操作も確認してみてください。停止状態にすると、地平線の上に「DISARMED」が出てきます。

左のスロットルスティック(今は一番下にあるはずです)を右へ3秒倒して、放します。
そうすると、「DISARMED」が「ARMED」に変わって、すぐ消えます。それはモーターが作動することを表します(電源に接続していないので、ここでは作動しません)。何も操作しなかったら、また「DISARMED」に変わります。


上記のように反応することは、設定完成ということです。右上の「DISCONNECT」をクリックして、USBコネクターを抜きます。
要注意:ここまでのテストは、プロペラがまだ取り付けられていない状態で進めてください。
次に、スロットルが一番下の状態で、バッテリーに接続します(プロペラは未取り付け)。
バッテリーにつながると、モーターがピピッと鳴ります。APMのランプが赤・青に点滅して、しばらくすると赤・紫・青に点滅します。
スロットルを右下に1秒倒したら、赤・青に点滅します。その時、スティックを真ん中に戻します。
すると、モーターが遅く回ります。スロットルを上へちょっと倒すと、モーターがスピードアップし、下へ倒すと、スピードダウンします。1/3くらいに倒して、機体を目の前に持ちます(怪我しないようにご注意を)。
機体を前後・左右へ傾けてみると、4つのモーターは回りスピードが自動的に調整されるように見えます。それは、設定に問題がないことです。
そして、スロットルを一番下にして、左へ3秒倒すと、モーターが止まり、保護状態に入ります。その時、スロットルを操作しても、モーターが作動しません。
これで、確認作業が終了しました。バッテリーをフル充電して、飛行可能な場所で飛ばしてみましょう。
ここで、飛行ポイントを紹介します。
- バッテリーの飛行可能な時間は10~15分間くらいです。タイマーを使って、もしくは駆動力が弱くなると気づいた時、バッテリーの交換をします。組立手順を簡単にするために、電源モジュールの取り付けはしていないので、今のところ、APMは電池電圧監視機能がまだありません。リポバッテリーの過放電はバッテリーの不可逆的な損害につながります。要注意です。
- 風がないもしくは風が弱い時飛ばすこと。
- 人が大勢いる場所は遠慮してください。また、人の頭の上を飛ばすことも遠慮してください。
今、プロペラを取り付けましょう。モーターが正しく取り付けた場合、プロペラの取り付けにも間違いがないはずです。
まず、スロットルが一番下にあることを確認します。それから
- 送信機をオンにします。
- リポバッテリーを接続します。その時、ジャイロが自動的に補正します(ランプが赤・青に点滅。その時、機体を動かさないでください)。
- 自動チェックが行います。問題がある場合、赤ランプが点滅します。
- 飛行モードを「Stabilize」に。
- オートバイロット機能(LoiterやRTL、Drift、オート、オートバイロットモードなど)を使いたい場合、GPSの3Dロックが終了するまで、30秒待ってください。APMの青ランプが点滅することは、GPSロックが終了することです。
- スロットルを右下へ5秒倒すと、ジャイロセンサーが初期化します。15秒以上倒すと、パラメーター自動調整モードに入ってしまうので、ご注意を。
- スロットルをちょっと倒すと、赤ランプが点滅して、プロペラが回ります。プロペラの回りスピードは「MOT_SPIN_ARMED」の設定値で調整可能です。
- 本番にスロットルを倒して、機体を飛ばします。
注意:Stabilize、ACRO、AltHold、Loiterという4つ
のモードのみで機体を飛び立たせてください。
注意:スロットルを一番下にして15秒経つと、どのモードにもかかわらず、モーターが自動的に止まります。
初心者では、まずはスロットルをゆっくり倒して、機体をもうすぐ飛び立たせそうになるまで操作してみてください。(よくある問題:モーターやAPM、プロペラを反対に取り付けてしまったり、間違っているモードに設定してしまったりした場合、スロットルをすると、機体がひっくり返りそうになります。もしそのような状況があったら、機体を手でしっかり持って、スロットルをして操作して、機体の移動方向を感じてみてください。機体の移動方向が操作方向と反対になっている場合、上記のところを確認してください)
機体が離陸しそうな時、前後・左右へ操作してみてください。最初はどんな操作をしたら機体にどんな動きが出るか、手と目で確認して、機体操作に慣れるまで練習します。
地面での操作に慣れたら、今回はスロットルをもっと倒して、機体を飛ばしてみてください。
機体設定に間違いなく、風のない環境で飛ばす場合、APMは空中で浮かんでゆっくり移動して(移動角度は30度以下)、振動もあまりないはずです。すべての操作はゆっくりにしてください。これからの練習目標は、機体を1階くらいの高さにホバリングすることです。もし何か状況が生じた場合、飛行を中止して問題を解決してから飛行を再開するように。
飛行終了の時、下記の操作をしてください。
- 飛行モードをStableやACRO、AltHold、Loiterにします。
- スロットルを一番下に、方向スティックを左へ2秒します。
- 赤ランプが点滅している時にリポバッテリーを抜きます。
- 送信機をオフにします。
要注意:現段階ではStableモードで飛行します。WayPointモードやRTLモードはパラメーター調整がまだ終わっていないので、それらのモードを使うと、機体がなくなるおそれがあります。
よくある問題:風がない環境では、機体の移動方向が不定です。もしある方向だけへ移動しているという状態だったら、重力加速度の校正に失敗したかもしれません。その場合、MPにつながって再校正してください。校正する時、APMを水平に置いていて、画面上の地平線が水平であるかどうか確認してください。もし水平でなかったら、もう一度校正してください。
上記の手順を終了して、よく練習して、空中で順調に飛行できるようになったら、次は中級飛行の勉強に入ります。
=中級飛行(GPSを使用)=
APMの飛行モードにはGPSを使うものが多いです。さっき紹介した「WayPointモード」や「RTLモード」もGPSを使うモードです。それらのモードの使用には、まず設定する必要があります。
APMをパソコンに接続して、「INITIAL SETUP」→「Mandatory Hardware」→「Compass」に入ります。
これは電子コンパスを設定するための項目です。下の画像の赤い四角で囲まれた部分を見てください。初期状態の「ROTATION_NONE」を「ROTATION_ROLL_180」に変更します。
それは、電子コンパスの方向の設定です。もし将来、GPSモジュールを反対方向に取り付ける場合、ここの設定を変更する必要があります。
上の赤い四角のところは、「磁気偏角」の設定です。初期状態は「Auto Dec Dectlination」です。台北にいる人は、ここのチェックを消して、「Degrees」のところに「-5」を入力してください。
磁気偏角は地域によって違います。日本やほかの国家の人は、ネットで磁気偏角を調べて、もしくは、チェックを入れて自動感知機能を使ってください。

もし設定画面に中国語があって、ほかの文字に邪魔するようになってしまったら、下の画像のように、言語を英語に変更してみてください(ほかの言語の翻訳がちょっと変なので、英語のほうがいいと思います)。

下の画面の設定値は変更しなくてもいいですが、ここで、筆者の設定を紹介します。「CONFIG/TUNING」→「Extended Tuning」に入って、下記のように変更します。ここはWayPointモードに切り替える時、APM補正の範囲と強度の設定です。

設定終了後、風のないもしくは風の弱い日に飛ばしてみましょう。テストの時、下記の注意事項があります。
- 電源に接続して、30秒経ってから飛行すること。
- 機体を1階以上の高さに飛ばしてから、WayPointモードに切り替えること。WayPointモードに切り替えると、機体が止まっておらず、変な方向へ移動してしまった場合、すぐStableモードに戻して、電子コンパスの設定を確認してください。
最近台湾の天候がよくないですが、晴れる時飛行動画を撮ろうと思います。
上記の設定が無事に終了すれば、この組み立て済みの機体はDJI Phantomと同じような機能を持っているものになりました。値段から見れば、かなり得でしょう。
次の文章では、電源モジュールやデータ伝送モジュールなどの取り付けを紹介しようと思います。DJI製品では、Wookong-MとA2だけ、グランドステーションに対応します。Wookong-Mはフライトコントローラーのみで値段が30000台湾元で、A2は40000台湾元です。グランドステーションはハードウェアで6000~7000元で、ソフトにもいろいろな種類があって……。機体では、S800やS1000を使えば、十何万~何十万元かかります。
次の文章を読んだら、お手元のUAVの価値が半端でないことを実感するでしょう!