これからは皆さんが一番気になる、空中撮影機材について紹介しようと思います。空中撮影機材には、無線映像伝送システムとカメラジンバルという2つの部分があります。
APM自身はジンバル設備に対応します。関連情報はこちらのページを参考してください。
APMの情報には下記の3種類のジンバルを紹介されています。
- Servo based gimbal
- Tarot 2-axis brushless gimbal
- VRGimbal 3-axis brushless gimbal
1つ目はRCサーボで制御するジンバルです。その長所は大型カメラを搭載可能で、重心位置の正しさからの影響が小さいことですが、その短所は反応がより遅く、作動の時騒音がすることです。その補正機能が悪くありませんが、ブラシレスジンバルが登場した後、そのサーボ式ジンバルがあまり使われないようになりました。なので、そのタイプのジンバルの紹介はこれで終了します。
2つ目のジンバルは今流行っているブラシレスジンバルです。APMサイトで紹介するものは、TAROTがGOPROカメラに対応するために設計したブラシレスジンバルです。値段が手頃で、設定方法も簡単な製品です。
そのブラシレスジンバルを購入したい人は、オンラインホビーショップで探せば見つかると思います。
設定済みの製品なので、電源につなげたら使用できます。飛行中で撮影角度を調整する場合、プロポの空いているチャンネルをジンバル制御に使えばいいです。

3つ目は筆者もよく分かりません。オープンソース製品だと分かりますが、あまり使われていないようです。
=ブラシレスジンバルの由来=
ここで、カメラジンバルの発展史を紹介していこうと思います。
APMオープンソースプロジェクトでは、もともとRCサーボを採用されていました。オートパイロットシステムで演算する時、機体の姿勢を計算してから、2つ~3つのサーボで姿勢補正をします。それはカメラステディカムみたいな構造となります。機体がどのように移動しても、どのように曲げても、カメラで撮った画面が安定状態の画面です。カメラジンバルはオートパイロット装置から発展したものと言っても過言ではありません。
1~2年前に、ドイツ人があるオープンソースプロジェクト(情報サイト:http://brushlessgimbal.de/)を始めました。そのオープンソースプロジェクトから生産されたものは素晴らしい性能が実現するので、中国メーカーはそれに似ている製品を開発しはじめました。そのオープンソースプロジェクトからのものだと言っていませんが、最初の製品に同じようなバッグがあることから、いくつかのメーカーの製品はそのオープンソースプロジェクトを参考に開発したものだと考えられています。(オープンソースプロジェクトの声明では、当プロジェクトのソースコードを使って製品生産する場合、その製品のソースコードを公開する義務があると書いていますが、その声明に従って、ソースコードを公開するメーカーが少ないでしょう)。
Free Fly System(http://www.freeflysystems.com/)というメーカーにもそれに似ている製品がありますが、UIが大きく違っています。
そのほか、クローズドソース製品を開発して、中国会社に製品特許を売り出すメーカーがあります。もともとは「SimpleBGC」という会社名ですが、今は「BASE CAM」(http://www.basecamelectronics.com/)に変更しました。設計者はロシア人のようです。彼が開発した製品は、ドイツ版のものの問題を解決したし、操作画面がある無人機プロジェクトのほうによく似ているので、確かに独自開発されたものだと思われます。
ドイツのオープンソースプロジェクトは最初、ロシアのそのオープンソースプロジェクトと競争しているように見えますが、ロシア版のものはアップデートがドイツ版より速く進んでいるので、ドイツ版もハードウェア部分でだんだんロシア版と一致するようになりました。
今市販のブラシレスジンバルコントローラーは、ハードウェア部分では基本的に、ドイツ版にもロシア版にも対応するようになっているはずです。
ブラシレスジンバルには騒音があまりしないという長所があるので、空撮設備以外、手持ち式カメラステディカムにも応用されています。
しかし、ブラシレスジンバルには大きい問題があります。それはトルクが小さいことです。トルクが小さいため、カメラの重心位置の正しさからの影響が大きいです。調整しやすくするために、1種類のカメラ・レンズにだけ対応するように設計されます。いろいろなサイズのカメラに対応するものは、設定値やカメラ重心位置の調整が必要となります。その調整方法はAPMとほぼ同じく、「P」「I」「D」「モーター出力」という4つのパラメーターで調整します。その調整も長い間の勉強と研究がいります。
これからの文章では、APMがすすめる、TAROTさんの2軸ジンバルを使って説明します。手元にテスト用のTAROT 2軸ジンバルがないので、写真ではオープンソース製品を使いますが。
TAROT 2軸ジンバルをすすめる理由といえば、手頃な値段に素晴らしい性能を持っていて、しかもAPMからすすめるものだからです。
ファームウェアの書き込みや配線、設定値調整など、自作ジンバルの作り方については、今後時間があったらまた紹介しようと思いますが、ここでは、すぐ使えるもので説明します。
このジンバルを取り付けるには、下記のものが必要になります。
- F450のランディングスキッド
- ジンバル
ランディングスキッドの取り付けについて、写真を参照に、ネジを締めれば完成です。ジンバルは機体の下に固定されるため、ランディングスキッドで機体の高さを増やさないとだめです。
ランディングスキッドをつけたら、機体の重量が重くなるので、同じ飛行時間にするために、Tタイプコネクターがついているパラレルコードを使って、2つのバッテリーを搭載しなければなりません。(例:飛行時間はもともと10~12分間で、ランディングスキッドとバッテリーを追加すると15~16分間になります。さらにジンバルを追加すると、また10~12分間に戻ります)
ジンバルの取り付けはやや複雑です。ポイントはジンバルを機体に固定する方法ですが、実は取り付け穴にネジで固定すればいいということです。取り付け穴がない場合は自分で穴を開けましょう。ナイロンケーブルで固定するのも1つの方法です。
固定終了の様子は、こちらの動画を参考しましょう。
ジンバルの電源端子やコントロール端子の接続について、こちらの説明(中国語)を参考してください。
電源供給について、TAROTさんは独立バッテリーを使うのがおススメです。筆者もそのほうがいいと思っています。映像伝送装置も安定的な電源供給が必要となります。機体電源を使う場合、ノイズ問題が生じる可能性があるので、独立バッテリーから電源供給するようにしたほうがいいと思います。
TAROTのジンバルの使用方法が簡単だし、取扱説明書もあるので、説明はこれで終了します。