自作無人飛行機作り方ガイド(04-組立開始)

これからは、組立をしながら、基本知識を紹介していきます。
 まずはモーターとESCです。モーターのコードにはゴールド コネクターがついていないので、買ってきてください。(ネットショップで「3.5mmゴールド コネクター」で調べればいっぱい出てきますよ)。
 ESCはGORunのものを使います。ゴールド コネクターもバッテリー側のコネクターも溶接済みなので、直接に使えます。
 ハンダ付けの方法を知りたい人は、こちらのYoutube動画で参考してください。
 こちらの動画は筆者が撮影したものです。
 ハンダ付けのコツは、ハンダごてを高温度に保つことと、ごて先をつねにきれいにすることです。濡れ雑巾を用意して、作業する時つねにごて先を拭くようにしましょう。コネクター固定用の装置を持っていなかったら、ペンチでコネクターなどを固定して、ゴム輪でペンチを縛ってハンダ付けの作業をするのもいい方法です。これからは値段がより高い電源モジュールを溶接する作業もあるので、ハンダ付けをよく練習してください。
 次はバッテリーと充電器です。充電器はALIGNのRCC-3SXを使いましょう。どれを選択すればいいか分からない人は、この品質のいいものを買えばいいですが、充電器のことがよく分かる人は、対応バッテリーが多い、高性能充電器を買いましょう。予算の問題があれば、普通の充電器でもいいですが。
 バッテリーについて、ネットショップで「おもちゃ」「模型」などの分類で「11.1V」で調べれば、適切なものが見つかります。容量は2200mAhくらいのものでいいですが、これ以上のものでも大丈夫です。2~3つ買いましょう。
 コネクターについて、ESCのコネクターの種類に応じて選択します。コネクターがついていないESCを使う場合、お好みに応じて選択してもいいです。TタイプもXT60タイプも大丈夫です。できるだけ多く買いましょう。
 次はプロポの設定です。
プロポをオンにして、下記のように新規モデルを作成します。「Switch Warning」が出た場合、スキップしてください。
「MENU」→「-」を押して、02を選択した状態にします。
「ENT」を長押しして、「Create Model」を選択。
 そうすると、メインメニューに戻ります。「PAGE」を何回か押せば、「CHANNEL MONITOR」に入ります。
 スティックを操作してみて、画面で反応が出るチャンネルを記録します。基本的に、チャンネル1~4はスティックで操作します。筆者が使っているX9Dはモード2なので、チャンネル1は左側の上/下で制御(バネなし)。チャンネル2は右側の左/右で、ロールを制御します。チャンネル3は右側の上/下で、ピッチを制御します。チャンネル4は左側の左/右で、ヨーを制御します。
 次はプロポと受信機X8Rとバインドします。こちらの動画を参考してください。
X9Dプロポの操作方法について
使用説明書
FrSKY TARANIS X9D機能一覧
プロ用製品なので、内容が豊富です。ゆっくり研究しましょう。
 バインド終了後、ESCを受信機のチャンネル1(白いコードを上に。下の写真を参考してください)に接続します。モーターの3つのコネクターをESCの3つの端子に接続します(どれをどれに接続してもかまいません)。受信機をオンにして、スロットルを最小にして、バッテリーに接続します。すると、ピピっと鳴ります。その後、スロットルを操作すれば、モーターが動くはずです。その時、モーターをしっかり持ちましょう。スロットルを大きく操作しないようにしてください。
 関連知識ですが、ブラシレスモーターの3本のコードには、電極プラス・マイナスの区別がありません。その中の2本を交換して接続すれば、モーターの回転方向が反対になります。その方法で、黒いアダプターのモーターは時計回りにさせ、シルバーアダプターのモーターは反時計回りにさせます。
 機体の組立はまだ終わっていないので、ここで終了します。

自作無人飛行機作り方ガイド(05-機体組立)

前回はプロポの基本設定やモーターの接続方法を紹介しましたが、今回は機体の組立を説明していきます。
 こちらはDJI F450の組立説明書です。
http://www.pelikandaniel.com/dld/F450_user_manual_v1.8_en.pdf
TAROTの機体はDJIのとはほとんど一緒だし、構造も簡単だし、この説明書を参考すれば、誰でも簡単に組立できると思います。
 機体の基本的組立が終了したら、下の画像を参考にモーターを取り付けましょう。前回でも紹介した通り、モーターの回り方向(時計回り・反時計回り)に要注意。下の画像のモーターアダプターの色を注意して取り付けてください。取り付けが終了したら、電源に接続してみてください。もし回り方向が反対になってしまったら、モーターコードを2本交換して接続すればいいです。
 モーターを固定する時気づいたことがありました。それは、モーターを載せる位置のプラスチックは普通より厚いので、筆者すすめのモーターは、付属ネジ(M3x6mm)の長さが足りないことです。M3x8mmソケットボタンヘッドネジを買ってきてください。この長さで十分です。もっと長いほうでは、モーター内部のコードを壊してしまう可能性があります。
 ESCを取り付ける前に、1つ大事なことがあります。
要注意!!要注意!!要注意!!要注意!!
 マルチコプターを組み立てる時、ESCのスロットル範囲を一致させなければなりません。この調整をしないと、モーターの操作に問題が生じるので、要注意です。
 ESCは受信機からのスロットル信号によって、モーターに駆動力を提供します。しかし、各メーカーのプロポからの信号はすべて同じなわけではないので、ESCの受けたスロットル範囲信号が設定可能なように設計されています。ESC自身も、CPUのクロック周波数に少し違いがあるので、初期設定値が一緒でいても、受けた信号にも少し違いがあります。
 ESCを1つだけ使う場合、その小さい違いには気づきませんが、マルチコプターで4つ以上を同時に作動する場合ははっきりと感じるようになります。
 筆者の経験によって、ほとんどのESCはスロットル範囲校正の仕方が同じですが、念のために、取扱説明書で確認したほうがいいと思います。
 要注意!!スロットル範囲校正をする時、モーターは取り付けますが、プロペラは取り付けないでください。
 バッテリーにも接続しないでください。プロポをオンにして、スロットルを100%に倒してから、バッテリーに接続します。そうすると、ピピッと鳴ります。2、3秒が経たら、スロットルを0%に倒すと、またピピッと鳴ります。それで校正終了です。
 モーターが4つあるので、上記の校正は4回します。APMを取り付ける時も大体同じような校正が必要ですが、ここで校正しておいたほうがいいと思います。
 次に、4つのESCの「+」「-」コードを適切な長さで切って、F450の下部プレートに溶接して固定します。切ったコードを1本、電源コードとして使います。
 下部プレートを取り付ければ、機体の組立はほぼ完成です。
 次は電子システムの取り付けです。
 APMの取り付けは簡単そうに見えますが、重要なポイントがあります。
 APMの姿勢センサーは振動に影響しやすいですが、パワーシステムは動く構造なので、作動する時の振動が避けられません。そのため、ここの取り付けポイントは振動防止の工夫です。墜落の原因はほとんどここにあるので、ぜひご注意を。
 ネットショップで「ジャイロ」「振動防止」で調べれば、振動防止用両面テープが見つかります。これは普通のアクリルフォームテープより防振効果がいいです。
 防振テープを下の写真のようにAPMに貼り付けます。筆者の経験によって、この貼り方ではよい効果が出ます。もちろん、ほかに何かいい方法があったら、自分の方法で貼ってもかまいません。
 APMのケースと基板には矢印がついています。その矢印に従ってAPMを貼り付けましょう。
 次に、モーターの4本のコードをAPMのOPTPUTに接続します。接続の順番は画像の右のほうを参照してください。
 1~4という順番に沿って接続します。黒いコードを外側に。
 次は受信機です。ここではFrSky X9D+X8R受信機で説明します。
 前回の文章の設定では、受信機の「1.2.3.4.5」をそれぞれAPMの「3.1.2.4.5」に接続します。ここのも同じように、黒いコードを外側に。
 ほかのプロポを使用する場合、下記の情報を参考に接続してください。
1→ロール
2→チルト
3→スロットル
4→パン
5→カスタム(3段式スティックに設定したほうがいいです)
 OUTPUTのジャンパー線の接続も忘れないように!(下の画像をご参照)
 このジャンパー線の接続はAPMの電源供給に影響します。接続しない場合、APMは電源モジュールから電源供給しますが、接続すると、すべての3ピン電源出力・入力端子が使用可能なようになり、受信機やESCから電源供給するようになります。電源モジュールの取り付けは後で説明します。
 ここでは、ジャンパー線を接続して、ESCから電源供給するようにします。それは一番いい方法ではありませんが、今のところではそれでいいです。
 ジャンパー線が接続された場合、USB線とバッテリーと一緒に接続したらAPMに焼損が生じることもあるので、一緒に接続しないほうがいいです。
 この時、ESCは4つの中の1つが熱くなることもありますが、気にしないでください。
 そして、GPSマウントにGPSを貼り付けます。GPS にコンパスがあり、方向にも注意する必要があるので、GPSの矢印をAPMや機体の矢印に一致させます。最後に、コードをケーブルタイなどで固定します。
 それも重要なポイントです。機体の振動や風の影響でコードがゆらゆらとなり、コントローラーの姿勢感知に影響してしまう恐れがあるからです。
 コントローラーの振動を低減するために、筆者は10gの鉛シートをコントローラーに貼り付けますが、鉛シートを持っていなかったら、コインでもいいです。もちろん、なにも貼り付けなくてもかまいません。
 機体組立の部分では、後はプロペラの取り付けだけです。次の文章では、APMのパラメーター設定を紹介します。

自作無人飛行機作り方ガイド(06-ソフト設定方法について)

ハードウェアの部分はほぼ終了したので、ここでは一番重要なポイント、ソフト設定方法を紹介していきます。
 要注意!APMをパソコンに接続する前に、ソフトのインストールをしなければなりません。そうしないと、ドライバーが見つからないなどのエラーが出てきます。
 筆者のパソコン環境はWin7 Professional 64bitなので、処理速度がより速いです。MissionPlanner(以下、MP)はJAVAのものなので、インストールに時間がかかります。
 まず、こちらのページで「MissionPlanner」をダウンロードします。
 ダウンロードしたソフトを開きます。
 説明を沿ってすれば、必要なドライバーが自動的にインストールされます。「DirectX」エラーメッセージが出てきたら、DirectXダウンロードセンターからのアップデートソフトでアップデートします。下の画像のメッセージが出たら、このドライバーソフトをインストールします。
 インストール終了後、MPを開きます。この「MissionPlanner」は自動的にアップデート情報をユーザーにお知らせします。
 次に、送信機をオンにして、APMをパソコンに接続。
 10秒くらい(パソコンのスピード次第)経ったら、自動的にインストールが進みます。画面右下のアイコンが消えたことは、ドライバーのインストールが終了したことです。(筆者のパソコンはインストール済みの状態なので、終了画面画像を見せることができませんが…)
 右上の「connect」を押すと、MPがAPMとつながります(「AUTO」に選択すればいいです)。

 要注意!!ほとんどのAPMは出荷前ファームウェア書き込み済みの状態です。バージョンがそれぞれ違いますが、いずれのバージョンでも基本情報は表示されます。もし「デバイスが見つかりません」などのエラーメッセージが出たら、ドライバーのインストールに問題がある可能性があります。ファームウェアが書き込まれていない場合もエラーが出てきますが、詳しい状況が分かりません。もしドライバーの問題でないと分かれば、ファームウェアをインストールしてみてください(インストールの方法について、後で説明します)。
=システムテスト=
 この段階では、マルチコプターの動きにつれて、MP画面上の左上にある水平線も動きます。たとえばマルチコプターを左へ傾けると、水平線が右へ傾きます。
 ロシア版モードのほうに慣れている人は、水平線のところに右クリックして、「Russian Hud」を選択すればいいです。
 水平線の動く方向を確認してください。方向が正しいことは、APMのインストールに成功したことです。
 何かエラーが出た場合は、ほとんどドライバーのインストールに問題があります。Windowsに詳しい人だったら、デバイスマネージャーでエラーの原因を研究しましょう。何か質問があれば、掲示板などで質問を発信しましょう。
 次ですが、「INITIAL SETUP」→「Mandartory Hardware」 →「Radio Calibration」に入ります。設定画面は下のようになります。
モード2場合:
Roll → 右側の左右
Pitch → 右側の上下
Yaw → 左側の左右
Throttle → 左側の上下
モード1の場合:
Roll → 右側の左右
Pitch → 左側の上下
Yaw → 左側の左右
Throttle → 右側の上下
 ここで注意してもらいたいことがありますが、ピッチゲージの数値がスティックの倒す方向と反対になる、つまり、スティックを上へ倒すと、ゲージ値が減るようにする必要があります。
 FrSky X9Dを例にしましょう。
 メインメニューで「MENU」を1回押して、「PAGE」を6回押すと、「SERVOS」に入ります。(下の画像を参照)
 右の「-」を押してCH3を選択して、「ENT」を1回押すと、CH3が設定可能なようになります。
 「-」を4回押して「—」を選択して、「ENT」を押すと、「—」が「INV」になります。
 そうすれば、スティックの倒す方向が画面上のピッチゲージと反対になります。(ほかの種類のプロポも上記のように設定してみましょう)
 設定終了後、「ENT」を3回押すと、メインメニュに戻ります。
 前回の文章では、5本のケーブルで受信機をAPMに接続すると説明しましたが、ここでは、マルチコプター飛行モードの切替として、CH5を3段式スイッチで操作するように設定します。
 FrSky X9Dを例に説明します。設定方法は下記のようになります。
 メインメニュで「MENU」を1回押して、「PAGE」を5回押すと、「MIXER」に入ります。(下のような画面です。筆者の場合はCH26までありますが、何も設定していない場合はCH1~CH7だけです)
 「-」を押してCH5を選択して、「ENT」を押すと、「INSERT MIX CH6」に入り、Source S2の「S2」が選択されます。
 そして、「ENT」を押して、「SE」が出るまで「-」を何回か押します。「SE」が出たら、「EXIT」でメインメニュに戻ります。
 この時、プロポの左上のスティックには「SE」と書いてあるか確認してください。「SE」と表示されているスティックは、CH5を操作するものです。操作してみれば、画面上の「Radio5」で反応が出るはずです。
 ほかの種類のプロポでは、どのスティックでどのチャンネルをコントロールするかは、説明書で確認しましょう。
 Futabaのものには、CH3スロットルを「REVERSE」に設定する必要のあるものもありますが、注意してください。
 以上の手順について、もし何か質問があったら、コメントで質問してください。
=ファームウェアのインストール=
 ドライバーがインストールされているのに、上記のシステムテストを進めても反応がない場合、お手元のAPMにファームウェアがインストールされていないかもしれません。その時、下記のようにファームウェアをインストールしてください。
 arduiplot.comで、この手順は最初に進めることだと書いていますが、先にシステムテストをすることがおススメです。それは、製品にもし何か不良や不具合があったら、早く発見できるからです。
 これからファームウェアを書き込みます。画面右上の「DISCONNECT」をクリックします。(クリックする前に、APMをパソコンに接続していて、ドライバーもインストール済みの状態であるか、確認してください)
 MPの「INSTAL SETUP」→「Install Firmware」に入ります。
 「ArduCopter V3.1.3 Quad」を選択。(この画面では、APMはマルチコプター以外、固定翼機、ヘリコプター、RCカーにも対応することが分かります)
 「Are you sure you want to upload ArduCopter V3.1.3」というメッセージが出たら、「Yes」を選択。「Uploading Firmware」→「Verify Firmware」という順番で進みます。警告メッセージが出たら、「OK」をクリック。(何の警告か分かりませんが…)
 これはインストール終了の画面です。
 インストール中は何も操作しないでください。失敗したらやり直してください。
 次に、「FLIGHT DATA」に戻して、右の「CONNECT」をクリックします。そうしたら、地平線が正常に機能し、プロポの「INITIAL SETUP」でも正常に反応するはずです。
 お手元のAPMのファームウェアバージョンがどれか分からないので、ファームウェアを再書き込むほうがはやいかもしれないと思って、上記のように紹介しました。
=初期化パラメータークイック設定ウィザード=
 次は一番大事な初期化パラメーター設定です。MPのクイック設定ウィザードでは簡単に設定できますが、英語で表示されているので、英語母語話者でない人にとっては難しいです。
 ここで詳しく説明していきます。
 APMとMPがつながっている場合、MPの左3番目の「INITAL SETUP」をクリックすると、ウィザードに入ります。初期化が終了した場合は自動的にもとの画面に戻りますが、戻らなかったら、もう一度「INITAL SETUP」をクリックします。
 左下にも「Wizard」のボタンがありますが、このボタンで進めば、最後に「finish」をクリックしても終了不可というバッグがあります。参考してください。
 まず、マルチコプターのタイプを選択します。4軸のファームウェアがインストールされているので、4軸のものだけ出てきます。
 左上のものを選択して、「NEXT」をクリックします。
 ここでは万有引力センサーの校正をします。「Start」をクリックします。
 画像のようにAPMを置いてください。約20秒置くと、次の手順に入ります。
 平らな地面に20秒置いてください。
 APMコントローラーの左側を下に、20秒置いてください。
 APMコントローラーの右側を下に、20秒置いてください。
 APMコントローラーの前部を下に、20秒置いてください。
 APMコントローラーの前部を上に、20秒置いてください。
 APMコントローラーの裏側を上に、20秒置いてください。
 校正に成功したら、下の画像が出てきます。
 失敗してしまったら、下の画像が出てきます。その時はやり直してください。
=コンパスキャリブレーション=
 この校正はちょっと難しいので、練習が必要です。下の画面が出たら、「Live Calibration」をクリックします。
 下の画面では、UAVを回して、各角度を感知するようにします。
 ちょっと難しいので、コツを皆さんに教えましょう。
  1. APMの正面を上に、時計回りで回して、反時計回りで回します。
  2. 左側を上に、時計回りで回して、反時計回りで回します。
  3. 右側を上に、時計回りで回して、反時計回りで回します。
  4. 前部を下に、時計回りで回して、反時計回りで回します。
 失敗の時は下の画面が出てきます。
 成功の時の画面です。「OK」→「NEXT」をクリックすると、次の画面に入ります。
 次は電源モジュールを選択します。電源モジュールは、「03-素材選択について」では購入リストに入れましたが、組立手順を簡単化するために、ここまでは取り付けませんでした。そのため、「What sensor are you using?」で「None」を選択して、「NEXT」をクリックします。
 これからはソナーモジュールを選択します。そのモジュールの機能では、UAVがとても低い高さ(約1、2メートル以下)で飛行しても、正確に制御できます。「Enable」項目を空白のままにして、「NEXT」をクリックします。
 ここはプロポのチャンネル信号範囲の校正です。「Continue」をクリックして入ります。
 この画面は前でも紹介しました。どのスティックはどのチャンネルを制御するかはもうはっきりしているでしょう。
 「校準遙控(プロポ校正)」をクリックしてください。
 プロポのスティックとCH5をコントロールする3段式スイッチを最大・最小に倒してください。そうすると、MPではプロポの最大値・最小値を赤い線で表示されるように見えます。そして、スロットルを真ん中にして、「Click when Done」をクリックします。
 MPで表示されている最大値・最小値を確認して、「OK」→「NEXT」をクリックします。
 ここは、スティック機能の設定です。3段式スイッチを操作してみてください。「FlightMode 1」「FlightMode 4」「FlightMode 6」という3つの飛行モードが選択可能です。筆者の設定画面と下記のモード説明を参考してください。
  • Stable:機体の前後・左右・上下の安定性をある範囲で確保するモードです。高さとGPSに機能しないため、風やシステム自身の不安定に影響して、ドリフトが生じる可能性があります。
  • Loter:上記のStable モードにGPS安定機能を追加するモードです(GPSは室外のみで機能するので、室外でオンにしてください)。機体を空中で止めるようにできます。風やシステム、GPSの不安定に影響して、ドリフトが少し生じる可能性があります。
  • RTL:リターンツーホームモード。このモードに切り替えると、機体はAPMの自動制御で直線で戻ります。制御不可になりそうな時に使います。

 要注意:Stableモードの設定がまだ終了していない時は、「Loter」「RTL」に切り替えないように。

 APMの機能の素晴らしさに感心するでしょう。ここまで紹介するのは基本機能だけです。
 設定終了後、「NEXT」をクリックします。
 ここでは、前の設定を確認します。GPS部分が赤になっているのは、室内いるので、受信できないからです。(室外に出ると緑になりますが)
 一番下の項目は保護機能です。APMは、不意にスロットルを開けてしまうことがないように、飛行する前にプロポで保護機能を解除するように設計されました。
 スロットルを左下に倒して10秒、そして、右下に倒してまた10秒。そうすれば、その項目は緑になります。
 左下に倒すのはスロットルを停止状態に、右下に倒すのは停止状態から解除する操作です。安全のために、飛行する前には停止状態から解除し、飛行が終わった後は停止状態にします。
 設定終了後、「NEXT」をクリックします。
 ここは、APMがコントロール範囲を超えた時どのように作動するかの設定ですが、ここではまず飛ばします。「NEXT」をクリックして次の項目に入ります。
 ここは「ジオフェンス」の設定です。テスト中、飛行距離が遠すぎるようになってしまった時、自動的に着陸やリターンする機能です。「Enable」にチェックをつけて、初期設定値のままにします。
 設定終了後、「NEXT」をクリックします。
 設定はもうすぐ終了です。ここには関連参考情報のサイトがありますが、必要な人は参考してください。
 「Finish」をクリックします。
 これで設定終了です。
 最後は自分のマルチコプターに応じてパラメーターを調整することです。
 サイズ、設備配置、駆動力、重量などの機体状況は、マルチコプターによって違ってくるので、それぞれの状況に応じてパラメーターを調整する必要があります。機体の飛行方向がずれてしまった時、どのくらいの力、どのくらいのスピードで姿勢補正するかは、そのパラメーターによって算定します。
 市販のマルチコプターはサイズも重量も変わらないので、パラメーター設定済みの状態です。重量やサイズに大きく変わらない限り、そのパラメーターを調整する必要がないと思います。
 パラメーター調整について、次の文章で紹介しようと思います。新バージョンのAPMは、最適なパラメーターを自動的に判断する「パラメーター調整機能」を搭載するので、調整作業はそれほど難しくはないと思います。でも、その機能は、機体を1回空中へ飛ばさないと機能しません。
 そのため、まずは機体を飛ばせるようなパラメーターに設定しなければなりません。幸いに、MPにはそのようなパラメーターがあります。
 「INITAL SETUP」→「Mandartory Hardware」→「Frame Type」に入ります。そして、右の「Default Settings」で「3DR_QUAD_X4_RTF.param」を選択して、「load」をクリックします。そうすると、パラメーター値が出てきます。確認して、APMに書き込みます。
 これで準備作業はほぼ完成です。バッテリーを充電しておいてください。次の文章では、初めての飛行の仕方とパラメーター調整機能の使用方法を紹介します。