自作無人飛行機作り方ガイド(02-システムについて)

小型UAVの世界に入る前に、まずは最も重要な設備を紹介したいと思います。01編に引継ぎ、ここではマルチコプター構造を持つ無人航空機に重点を置きます。固定翼などほかの構造を持つものは、今回は紹介しません。
  • フライトコントローラー:マルチコプターの魂と言える部分です。小型パソコンみたいな存在で、機体制御の役割を担っています。01編で紹介したいろいろなオープンソースプロジェクトでは、その部分の設備の開発に取り込んでいます。
  • 航空機体:マルチコプターはプロペラの回転スピードで登る・降りる・左/右へ・前/後ろへ・ホバリングになるように操作します。
 プロペラの回りについて、トルクの反作用が影響しないように、隣のプロペラ同士/反対側のプロペラ同士はそれぞれ違う方向の回りになっています。
 要注意!これは初心者のよくあるミスです。マルチコプターでは、時計回りと反時計回りという2種類のプロペラがあるので、モーターの回りに応じる正しいプロペラを使っているかどうか、注意してください。
 マルチコプターの中、一番シンプルな構造をもつものは、4本のプロペラのクワッドヘリコプターです(3軸と2軸のものは追加コントロールシステムが必要となります)。「+」の構造を例として説明すれば、前へ移動するには、後ろのプロペラをスピードアップして、前のプロペラをスピードダウンします。後ろ・右・左へ移動するのも同様です。
 登る・降りるには、4つのプロペラを同時にスピードアップ・スピードダウンすればいいです。ホバリングするには、時計回りのプロペラをスピードアップして、反時計回りのプロペラをスピードダウンして、トルク反作用を増大すればいいです。逆回りではその反対にします。
 こちらの動画(約2:11)ではもっと分かりやすいと思いますが、参考してください。http://youtu.be/4ErEBkj_3PY
  • リモートコントロールシステム:オートパイロット機能が起動されていない時、無人機をコントロールするに使う設備。
 以上は無人飛行機に欠かせない3つのシステムです。
 応用システムも3つありますが、下記のようになります。
  • 撮影システム:カメラなどの撮影設備を取り付けて、機体の揺れや振動で撮影画面に影響しないようにする設備。
  • 映像伝送システム:撮影画面をリアルタイムで地面にいるユーザーに送信する設備。
  • データ送信システム:無人飛行機の姿勢、位置、高度、スピードなどのデジタルデータをユーザーに送信する設備。
 このシリーズの文章を書く前にずっと迷っていますが、すべての部分も細かく紹介するか、それとも概要を一通りで紹介するか、と。前者では、自作の時の小さいミスが避けられますが、内容がうるさくなります。後者では、すぐ読み終えますが、実際に作る時はどじってしまうこともあります。
 いろいろと考えて、最初は機体を飛ばすまでの要領を簡潔に紹介し、その後、より詳しい説明を文章に追加することにしました。
 というわけで、ここではまず、手頃な値段の、適切なパーツの入手方法を紹介します(今後アップグレードの必要性も考えるので、一番安いものを紹介するとは限りません)。簡潔なマニュアルのように、よくあるミスだけ書きます。もし何か質問があったら、コメントで質問を出してください。解決方法があれば、皆さんにも紹介しますから。
 初めての場合、フライトコントローラーはAPMのものを使ったほうがいいと思います。APMは一番多く使われるオープンソース製品です。使いやすいソフトを持っており、関連資料もたくさんあるものです。
 航空機体について、自作では安くて簡単にできます。初めての場合、互換性がある安いものを使ったほうがいいと思います。今後(もし時間があれば)そのアップグレードなどの方法も紹介したいと思います。
 リモートコントロールシステムについて、今後アップグレードや設定の問題で困ることがないように、品質のいいものを使ったほうがいいと思います。

自作無人飛行機作り方ガイド(03-素材選択について)

機体&フライトコントローラー&プロポ
 今回の目標は低い値段で長持ちのものを作ることです。自分で組み立てるうちに、自作無人飛行機の作り方の基本を学んでいくだけでなく、初心者による軽い失敗をしてしまっても、すぐ台無しにならないようなものが作成できます。組立終了したら、下の画像のようなものが出来上がりますが、その機能はDJI WOOKONG + グランドステーションより優れると思います。(WOOKONGだけでも、値段は30000台湾元、約1000ドルですが…)
 ジンバルとランディングスキッドは後でまた説明するので、今回は特に紹介しません。
 そのようなセッティングは、最近流行っているPhantomシリーズとほぼ一緒なので、Phantomの載せる設備だったら、その機体も載せるはずです。ボディがないため、Phantomより多く載せるかもしれません。機体について、TAROTのTL2749-05がおススメです。その機体はDJI F450を参考に開発するものだと思われています。
 モーターはTAROTのTL9030/TL9208を使います。TL9030は右ネジで、TL9208は左ネジです。対応するプロペラに取り付ければ、プロペラの回転で締まるようになるため、飛行中で外れてしまうことがなくなります。2つずつ使います。
 プロペラは9.4×4.3炭素繊維製プロペラTL2866を使います。DJI製品にも対応するプラスチック製プロペラがありますが、値段がほぼ同じです。プロペラは2セット(CW2本、CCW2本)が必要です。墜落してしまった時、プロペラが壊れることが多いので、予備用のプロペラも一緒に買ったほうがいいです。
 ESCについて、SimonKファームウェアのものを使いましょう。約30Aです。そのファームウェアの製品は反応が速い長所を持っています。そのほか、FlyFun18Aを使ってもいいです。
 フライトコントローラーはAPM2.6版のものを使いましょう。2.6版は実はコンパスICがついていない2.5.2版のものなので、基板に「2.5.2」が書いてあるものもあります。その性能・機能は2.6版のものと同じです。
 2.6版と2.5.2版の違いについて、下の画像をご覧ください。
2.6版:「On board Mag」のICパーツがついていないもの。
 別々に買う場合、GPSはコンパス内蔵式のものがおススメです。コンパス内蔵式GPSはコネクターが2つあり、GPSだけのものはコネクターが1つしかありません。市販のGPSはUblox 6Mと6Hという2種類のものがありますが、6Hは値段は6Mより3倍高いですが、感度と正確度は6Mより大幅に優れています。
 アクセサリーについて、電源モジュールとデジタルデータ送信モジュールが必要です。送信モジュールには433Mhzと915Mhzがありますが、性能としてはほぼ同じです。基本的に、915Mhz より、433Mhzのほうは送信距離が長いですが、妨害を受けやすいです。
 電源モジュールについて、BECがついているもののほうがおススメです。電圧や電流の測定範囲については一般的なものでいいですが、範囲が大きいほどいいです。
 プロポの選択ポイントは下記のようになります。
  • チャンネルは多ければ多いほどいいです(9チャンネル以上のものがいいです)。
  • プロポのツマミは2つ以上あるものがいいです。
  • 双方向機能を搭載するものがいいです。
  • ブランド物がいいです(高いけど)。
 筆者はFutaba 9CHGと12FG、HITEC 9X、Frsky X9Dを持っています。その中、Frsky X9Dは機能が多くて、使いやすいです。オープンソースプロジェクトの製品なので、海外では参考資料がいっぱいあります。FrSkyの受信機は双方向機能を搭載しており、値段も高くないです。9チャンネルで、アナログコントロールも4つあって、ジンバルのコントロールに使えます。しかし、その短所は中国語の情報が少ないことです。
 HITEC 9Xもいい製品です。台湾では代理店があり、中国語の説明もあります。性能もよく、値段はX9Dよりちょっと高いですが、ほかのプロポと比べたらそんなに高くはないです。
 FUTABAシリーズでは、新製品の14SGも10Jもいいですが、値段は万元以上です。よく使われているので、使い方が分からない時、ほかのユーザーやお店に問い合わせればいいです。
 JRシリーズ……使うのがずいぶん昔のことですが、性能の優れたものです。
 Spektrumシリーズは海外でよく使われるものですが、使ったことがありません…。また、中国Walkeraというメーカーのものもあります。値段が安いし、オープンソース製品なので、初心者の間でよく使われるそうです。実際に使ったことがありませんが。
 プロ空中撮影をする人には、FUTABA製品がおススメですが、アマチュアの場合、安いもので十分です。
 このシリーズの文章では、X9Dを例に紹介します(14SGが高くて買えないから…)。
 上記の設備は、ショッピングサイトやホビーショップで購入してください。モーターにはいろいろな種類のコネクターがあるため、その関連知識をもっていない人は、よく聞いてから買ったほうがいいです。そうしないと、組み立てる時うまくできないこともあります。
 それ以外、ハンダごてやハンダ、熱収縮チューブなどの道具が必要なので、準備しておいてください。

自作無人飛行機作り方ガイド(04-組立開始)

これからは、組立をしながら、基本知識を紹介していきます。
 まずはモーターとESCです。モーターのコードにはゴールド コネクターがついていないので、買ってきてください。(ネットショップで「3.5mmゴールド コネクター」で調べればいっぱい出てきますよ)。
 ESCはGORunのものを使います。ゴールド コネクターもバッテリー側のコネクターも溶接済みなので、直接に使えます。
 ハンダ付けの方法を知りたい人は、こちらのYoutube動画で参考してください。
 こちらの動画は筆者が撮影したものです。
 ハンダ付けのコツは、ハンダごてを高温度に保つことと、ごて先をつねにきれいにすることです。濡れ雑巾を用意して、作業する時つねにごて先を拭くようにしましょう。コネクター固定用の装置を持っていなかったら、ペンチでコネクターなどを固定して、ゴム輪でペンチを縛ってハンダ付けの作業をするのもいい方法です。これからは値段がより高い電源モジュールを溶接する作業もあるので、ハンダ付けをよく練習してください。
 次はバッテリーと充電器です。充電器はALIGNのRCC-3SXを使いましょう。どれを選択すればいいか分からない人は、この品質のいいものを買えばいいですが、充電器のことがよく分かる人は、対応バッテリーが多い、高性能充電器を買いましょう。予算の問題があれば、普通の充電器でもいいですが。
 バッテリーについて、ネットショップで「おもちゃ」「模型」などの分類で「11.1V」で調べれば、適切なものが見つかります。容量は2200mAhくらいのものでいいですが、これ以上のものでも大丈夫です。2~3つ買いましょう。
 コネクターについて、ESCのコネクターの種類に応じて選択します。コネクターがついていないESCを使う場合、お好みに応じて選択してもいいです。TタイプもXT60タイプも大丈夫です。できるだけ多く買いましょう。
 次はプロポの設定です。
プロポをオンにして、下記のように新規モデルを作成します。「Switch Warning」が出た場合、スキップしてください。
「MENU」→「-」を押して、02を選択した状態にします。
「ENT」を長押しして、「Create Model」を選択。
 そうすると、メインメニューに戻ります。「PAGE」を何回か押せば、「CHANNEL MONITOR」に入ります。
 スティックを操作してみて、画面で反応が出るチャンネルを記録します。基本的に、チャンネル1~4はスティックで操作します。筆者が使っているX9Dはモード2なので、チャンネル1は左側の上/下で制御(バネなし)。チャンネル2は右側の左/右で、ロールを制御します。チャンネル3は右側の上/下で、ピッチを制御します。チャンネル4は左側の左/右で、ヨーを制御します。
 次はプロポと受信機X8Rとバインドします。こちらの動画を参考してください。
X9Dプロポの操作方法について
使用説明書
FrSKY TARANIS X9D機能一覧
プロ用製品なので、内容が豊富です。ゆっくり研究しましょう。
 バインド終了後、ESCを受信機のチャンネル1(白いコードを上に。下の写真を参考してください)に接続します。モーターの3つのコネクターをESCの3つの端子に接続します(どれをどれに接続してもかまいません)。受信機をオンにして、スロットルを最小にして、バッテリーに接続します。すると、ピピっと鳴ります。その後、スロットルを操作すれば、モーターが動くはずです。その時、モーターをしっかり持ちましょう。スロットルを大きく操作しないようにしてください。
 関連知識ですが、ブラシレスモーターの3本のコードには、電極プラス・マイナスの区別がありません。その中の2本を交換して接続すれば、モーターの回転方向が反対になります。その方法で、黒いアダプターのモーターは時計回りにさせ、シルバーアダプターのモーターは反時計回りにさせます。
 機体の組立はまだ終わっていないので、ここで終了します。