自作無人飛行機作り方ガイド(05-機体組立)

前回はプロポの基本設定やモーターの接続方法を紹介しましたが、今回は機体の組立を説明していきます。
 こちらはDJI F450の組立説明書です。
http://www.pelikandaniel.com/dld/F450_user_manual_v1.8_en.pdf
TAROTの機体はDJIのとはほとんど一緒だし、構造も簡単だし、この説明書を参考すれば、誰でも簡単に組立できると思います。
 機体の基本的組立が終了したら、下の画像を参考にモーターを取り付けましょう。前回でも紹介した通り、モーターの回り方向(時計回り・反時計回り)に要注意。下の画像のモーターアダプターの色を注意して取り付けてください。取り付けが終了したら、電源に接続してみてください。もし回り方向が反対になってしまったら、モーターコードを2本交換して接続すればいいです。
 モーターを固定する時気づいたことがありました。それは、モーターを載せる位置のプラスチックは普通より厚いので、筆者すすめのモーターは、付属ネジ(M3x6mm)の長さが足りないことです。M3x8mmソケットボタンヘッドネジを買ってきてください。この長さで十分です。もっと長いほうでは、モーター内部のコードを壊してしまう可能性があります。
 ESCを取り付ける前に、1つ大事なことがあります。
要注意!!要注意!!要注意!!要注意!!
 マルチコプターを組み立てる時、ESCのスロットル範囲を一致させなければなりません。この調整をしないと、モーターの操作に問題が生じるので、要注意です。
 ESCは受信機からのスロットル信号によって、モーターに駆動力を提供します。しかし、各メーカーのプロポからの信号はすべて同じなわけではないので、ESCの受けたスロットル範囲信号が設定可能なように設計されています。ESC自身も、CPUのクロック周波数に少し違いがあるので、初期設定値が一緒でいても、受けた信号にも少し違いがあります。
 ESCを1つだけ使う場合、その小さい違いには気づきませんが、マルチコプターで4つ以上を同時に作動する場合ははっきりと感じるようになります。
 筆者の経験によって、ほとんどのESCはスロットル範囲校正の仕方が同じですが、念のために、取扱説明書で確認したほうがいいと思います。
 要注意!!スロットル範囲校正をする時、モーターは取り付けますが、プロペラは取り付けないでください。
 バッテリーにも接続しないでください。プロポをオンにして、スロットルを100%に倒してから、バッテリーに接続します。そうすると、ピピッと鳴ります。2、3秒が経たら、スロットルを0%に倒すと、またピピッと鳴ります。それで校正終了です。
 モーターが4つあるので、上記の校正は4回します。APMを取り付ける時も大体同じような校正が必要ですが、ここで校正しておいたほうがいいと思います。
 次に、4つのESCの「+」「-」コードを適切な長さで切って、F450の下部プレートに溶接して固定します。切ったコードを1本、電源コードとして使います。
 下部プレートを取り付ければ、機体の組立はほぼ完成です。
 次は電子システムの取り付けです。
 APMの取り付けは簡単そうに見えますが、重要なポイントがあります。
 APMの姿勢センサーは振動に影響しやすいですが、パワーシステムは動く構造なので、作動する時の振動が避けられません。そのため、ここの取り付けポイントは振動防止の工夫です。墜落の原因はほとんどここにあるので、ぜひご注意を。
 ネットショップで「ジャイロ」「振動防止」で調べれば、振動防止用両面テープが見つかります。これは普通のアクリルフォームテープより防振効果がいいです。
 防振テープを下の写真のようにAPMに貼り付けます。筆者の経験によって、この貼り方ではよい効果が出ます。もちろん、ほかに何かいい方法があったら、自分の方法で貼ってもかまいません。
 APMのケースと基板には矢印がついています。その矢印に従ってAPMを貼り付けましょう。
 次に、モーターの4本のコードをAPMのOPTPUTに接続します。接続の順番は画像の右のほうを参照してください。
 1~4という順番に沿って接続します。黒いコードを外側に。
 次は受信機です。ここではFrSky X9D+X8R受信機で説明します。
 前回の文章の設定では、受信機の「1.2.3.4.5」をそれぞれAPMの「3.1.2.4.5」に接続します。ここのも同じように、黒いコードを外側に。
 ほかのプロポを使用する場合、下記の情報を参考に接続してください。
1→ロール
2→チルト
3→スロットル
4→パン
5→カスタム(3段式スティックに設定したほうがいいです)
 OUTPUTのジャンパー線の接続も忘れないように!(下の画像をご参照)
 このジャンパー線の接続はAPMの電源供給に影響します。接続しない場合、APMは電源モジュールから電源供給しますが、接続すると、すべての3ピン電源出力・入力端子が使用可能なようになり、受信機やESCから電源供給するようになります。電源モジュールの取り付けは後で説明します。
 ここでは、ジャンパー線を接続して、ESCから電源供給するようにします。それは一番いい方法ではありませんが、今のところではそれでいいです。
 ジャンパー線が接続された場合、USB線とバッテリーと一緒に接続したらAPMに焼損が生じることもあるので、一緒に接続しないほうがいいです。
 この時、ESCは4つの中の1つが熱くなることもありますが、気にしないでください。
 そして、GPSマウントにGPSを貼り付けます。GPS にコンパスがあり、方向にも注意する必要があるので、GPSの矢印をAPMや機体の矢印に一致させます。最後に、コードをケーブルタイなどで固定します。
 それも重要なポイントです。機体の振動や風の影響でコードがゆらゆらとなり、コントローラーの姿勢感知に影響してしまう恐れがあるからです。
 コントローラーの振動を低減するために、筆者は10gの鉛シートをコントローラーに貼り付けますが、鉛シートを持っていなかったら、コインでもいいです。もちろん、なにも貼り付けなくてもかまいません。
 機体組立の部分では、後はプロペラの取り付けだけです。次の文章では、APMのパラメーター設定を紹介します。

自作無人飛行機作り方ガイド(06-ソフト設定方法について)

ハードウェアの部分はほぼ終了したので、ここでは一番重要なポイント、ソフト設定方法を紹介していきます。
 要注意!APMをパソコンに接続する前に、ソフトのインストールをしなければなりません。そうしないと、ドライバーが見つからないなどのエラーが出てきます。
 筆者のパソコン環境はWin7 Professional 64bitなので、処理速度がより速いです。MissionPlanner(以下、MP)はJAVAのものなので、インストールに時間がかかります。
 まず、こちらのページで「MissionPlanner」をダウンロードします。
 ダウンロードしたソフトを開きます。
 説明を沿ってすれば、必要なドライバーが自動的にインストールされます。「DirectX」エラーメッセージが出てきたら、DirectXダウンロードセンターからのアップデートソフトでアップデートします。下の画像のメッセージが出たら、このドライバーソフトをインストールします。
 インストール終了後、MPを開きます。この「MissionPlanner」は自動的にアップデート情報をユーザーにお知らせします。
 次に、送信機をオンにして、APMをパソコンに接続。
 10秒くらい(パソコンのスピード次第)経ったら、自動的にインストールが進みます。画面右下のアイコンが消えたことは、ドライバーのインストールが終了したことです。(筆者のパソコンはインストール済みの状態なので、終了画面画像を見せることができませんが…)
 右上の「connect」を押すと、MPがAPMとつながります(「AUTO」に選択すればいいです)。

 要注意!!ほとんどのAPMは出荷前ファームウェア書き込み済みの状態です。バージョンがそれぞれ違いますが、いずれのバージョンでも基本情報は表示されます。もし「デバイスが見つかりません」などのエラーメッセージが出たら、ドライバーのインストールに問題がある可能性があります。ファームウェアが書き込まれていない場合もエラーが出てきますが、詳しい状況が分かりません。もしドライバーの問題でないと分かれば、ファームウェアをインストールしてみてください(インストールの方法について、後で説明します)。
=システムテスト=
 この段階では、マルチコプターの動きにつれて、MP画面上の左上にある水平線も動きます。たとえばマルチコプターを左へ傾けると、水平線が右へ傾きます。
 ロシア版モードのほうに慣れている人は、水平線のところに右クリックして、「Russian Hud」を選択すればいいです。
 水平線の動く方向を確認してください。方向が正しいことは、APMのインストールに成功したことです。
 何かエラーが出た場合は、ほとんどドライバーのインストールに問題があります。Windowsに詳しい人だったら、デバイスマネージャーでエラーの原因を研究しましょう。何か質問があれば、掲示板などで質問を発信しましょう。
 次ですが、「INITIAL SETUP」→「Mandartory Hardware」 →「Radio Calibration」に入ります。設定画面は下のようになります。
モード2場合:
Roll → 右側の左右
Pitch → 右側の上下
Yaw → 左側の左右
Throttle → 左側の上下
モード1の場合:
Roll → 右側の左右
Pitch → 左側の上下
Yaw → 左側の左右
Throttle → 右側の上下
 ここで注意してもらいたいことがありますが、ピッチゲージの数値がスティックの倒す方向と反対になる、つまり、スティックを上へ倒すと、ゲージ値が減るようにする必要があります。
 FrSky X9Dを例にしましょう。
 メインメニューで「MENU」を1回押して、「PAGE」を6回押すと、「SERVOS」に入ります。(下の画像を参照)
 右の「-」を押してCH3を選択して、「ENT」を1回押すと、CH3が設定可能なようになります。
 「-」を4回押して「—」を選択して、「ENT」を押すと、「—」が「INV」になります。
 そうすれば、スティックの倒す方向が画面上のピッチゲージと反対になります。(ほかの種類のプロポも上記のように設定してみましょう)
 設定終了後、「ENT」を3回押すと、メインメニュに戻ります。
 前回の文章では、5本のケーブルで受信機をAPMに接続すると説明しましたが、ここでは、マルチコプター飛行モードの切替として、CH5を3段式スイッチで操作するように設定します。
 FrSky X9Dを例に説明します。設定方法は下記のようになります。
 メインメニュで「MENU」を1回押して、「PAGE」を5回押すと、「MIXER」に入ります。(下のような画面です。筆者の場合はCH26までありますが、何も設定していない場合はCH1~CH7だけです)
 「-」を押してCH5を選択して、「ENT」を押すと、「INSERT MIX CH6」に入り、Source S2の「S2」が選択されます。
 そして、「ENT」を押して、「SE」が出るまで「-」を何回か押します。「SE」が出たら、「EXIT」でメインメニュに戻ります。
 この時、プロポの左上のスティックには「SE」と書いてあるか確認してください。「SE」と表示されているスティックは、CH5を操作するものです。操作してみれば、画面上の「Radio5」で反応が出るはずです。
 ほかの種類のプロポでは、どのスティックでどのチャンネルをコントロールするかは、説明書で確認しましょう。
 Futabaのものには、CH3スロットルを「REVERSE」に設定する必要のあるものもありますが、注意してください。
 以上の手順について、もし何か質問があったら、コメントで質問してください。
=ファームウェアのインストール=
 ドライバーがインストールされているのに、上記のシステムテストを進めても反応がない場合、お手元のAPMにファームウェアがインストールされていないかもしれません。その時、下記のようにファームウェアをインストールしてください。
 arduiplot.comで、この手順は最初に進めることだと書いていますが、先にシステムテストをすることがおススメです。それは、製品にもし何か不良や不具合があったら、早く発見できるからです。
 これからファームウェアを書き込みます。画面右上の「DISCONNECT」をクリックします。(クリックする前に、APMをパソコンに接続していて、ドライバーもインストール済みの状態であるか、確認してください)
 MPの「INSTAL SETUP」→「Install Firmware」に入ります。
 「ArduCopter V3.1.3 Quad」を選択。(この画面では、APMはマルチコプター以外、固定翼機、ヘリコプター、RCカーにも対応することが分かります)
 「Are you sure you want to upload ArduCopter V3.1.3」というメッセージが出たら、「Yes」を選択。「Uploading Firmware」→「Verify Firmware」という順番で進みます。警告メッセージが出たら、「OK」をクリック。(何の警告か分かりませんが…)
 これはインストール終了の画面です。
 インストール中は何も操作しないでください。失敗したらやり直してください。
 次に、「FLIGHT DATA」に戻して、右の「CONNECT」をクリックします。そうしたら、地平線が正常に機能し、プロポの「INITIAL SETUP」でも正常に反応するはずです。
 お手元のAPMのファームウェアバージョンがどれか分からないので、ファームウェアを再書き込むほうがはやいかもしれないと思って、上記のように紹介しました。
=初期化パラメータークイック設定ウィザード=
 次は一番大事な初期化パラメーター設定です。MPのクイック設定ウィザードでは簡単に設定できますが、英語で表示されているので、英語母語話者でない人にとっては難しいです。
 ここで詳しく説明していきます。
 APMとMPがつながっている場合、MPの左3番目の「INITAL SETUP」をクリックすると、ウィザードに入ります。初期化が終了した場合は自動的にもとの画面に戻りますが、戻らなかったら、もう一度「INITAL SETUP」をクリックします。
 左下にも「Wizard」のボタンがありますが、このボタンで進めば、最後に「finish」をクリックしても終了不可というバッグがあります。参考してください。
 まず、マルチコプターのタイプを選択します。4軸のファームウェアがインストールされているので、4軸のものだけ出てきます。
 左上のものを選択して、「NEXT」をクリックします。
 ここでは万有引力センサーの校正をします。「Start」をクリックします。
 画像のようにAPMを置いてください。約20秒置くと、次の手順に入ります。
 平らな地面に20秒置いてください。
 APMコントローラーの左側を下に、20秒置いてください。
 APMコントローラーの右側を下に、20秒置いてください。
 APMコントローラーの前部を下に、20秒置いてください。
 APMコントローラーの前部を上に、20秒置いてください。
 APMコントローラーの裏側を上に、20秒置いてください。
 校正に成功したら、下の画像が出てきます。
 失敗してしまったら、下の画像が出てきます。その時はやり直してください。
=コンパスキャリブレーション=
 この校正はちょっと難しいので、練習が必要です。下の画面が出たら、「Live Calibration」をクリックします。
 下の画面では、UAVを回して、各角度を感知するようにします。
 ちょっと難しいので、コツを皆さんに教えましょう。
  1. APMの正面を上に、時計回りで回して、反時計回りで回します。
  2. 左側を上に、時計回りで回して、反時計回りで回します。
  3. 右側を上に、時計回りで回して、反時計回りで回します。
  4. 前部を下に、時計回りで回して、反時計回りで回します。
 失敗の時は下の画面が出てきます。
 成功の時の画面です。「OK」→「NEXT」をクリックすると、次の画面に入ります。
 次は電源モジュールを選択します。電源モジュールは、「03-素材選択について」では購入リストに入れましたが、組立手順を簡単化するために、ここまでは取り付けませんでした。そのため、「What sensor are you using?」で「None」を選択して、「NEXT」をクリックします。
 これからはソナーモジュールを選択します。そのモジュールの機能では、UAVがとても低い高さ(約1、2メートル以下)で飛行しても、正確に制御できます。「Enable」項目を空白のままにして、「NEXT」をクリックします。
 ここはプロポのチャンネル信号範囲の校正です。「Continue」をクリックして入ります。
 この画面は前でも紹介しました。どのスティックはどのチャンネルを制御するかはもうはっきりしているでしょう。
 「校準遙控(プロポ校正)」をクリックしてください。
 プロポのスティックとCH5をコントロールする3段式スイッチを最大・最小に倒してください。そうすると、MPではプロポの最大値・最小値を赤い線で表示されるように見えます。そして、スロットルを真ん中にして、「Click when Done」をクリックします。
 MPで表示されている最大値・最小値を確認して、「OK」→「NEXT」をクリックします。
 ここは、スティック機能の設定です。3段式スイッチを操作してみてください。「FlightMode 1」「FlightMode 4」「FlightMode 6」という3つの飛行モードが選択可能です。筆者の設定画面と下記のモード説明を参考してください。
  • Stable:機体の前後・左右・上下の安定性をある範囲で確保するモードです。高さとGPSに機能しないため、風やシステム自身の不安定に影響して、ドリフトが生じる可能性があります。
  • Loter:上記のStable モードにGPS安定機能を追加するモードです(GPSは室外のみで機能するので、室外でオンにしてください)。機体を空中で止めるようにできます。風やシステム、GPSの不安定に影響して、ドリフトが少し生じる可能性があります。
  • RTL:リターンツーホームモード。このモードに切り替えると、機体はAPMの自動制御で直線で戻ります。制御不可になりそうな時に使います。

 要注意:Stableモードの設定がまだ終了していない時は、「Loter」「RTL」に切り替えないように。

 APMの機能の素晴らしさに感心するでしょう。ここまで紹介するのは基本機能だけです。
 設定終了後、「NEXT」をクリックします。
 ここでは、前の設定を確認します。GPS部分が赤になっているのは、室内いるので、受信できないからです。(室外に出ると緑になりますが)
 一番下の項目は保護機能です。APMは、不意にスロットルを開けてしまうことがないように、飛行する前にプロポで保護機能を解除するように設計されました。
 スロットルを左下に倒して10秒、そして、右下に倒してまた10秒。そうすれば、その項目は緑になります。
 左下に倒すのはスロットルを停止状態に、右下に倒すのは停止状態から解除する操作です。安全のために、飛行する前には停止状態から解除し、飛行が終わった後は停止状態にします。
 設定終了後、「NEXT」をクリックします。
 ここは、APMがコントロール範囲を超えた時どのように作動するかの設定ですが、ここではまず飛ばします。「NEXT」をクリックして次の項目に入ります。
 ここは「ジオフェンス」の設定です。テスト中、飛行距離が遠すぎるようになってしまった時、自動的に着陸やリターンする機能です。「Enable」にチェックをつけて、初期設定値のままにします。
 設定終了後、「NEXT」をクリックします。
 設定はもうすぐ終了です。ここには関連参考情報のサイトがありますが、必要な人は参考してください。
 「Finish」をクリックします。
 これで設定終了です。
 最後は自分のマルチコプターに応じてパラメーターを調整することです。
 サイズ、設備配置、駆動力、重量などの機体状況は、マルチコプターによって違ってくるので、それぞれの状況に応じてパラメーターを調整する必要があります。機体の飛行方向がずれてしまった時、どのくらいの力、どのくらいのスピードで姿勢補正するかは、そのパラメーターによって算定します。
 市販のマルチコプターはサイズも重量も変わらないので、パラメーター設定済みの状態です。重量やサイズに大きく変わらない限り、そのパラメーターを調整する必要がないと思います。
 パラメーター調整について、次の文章で紹介しようと思います。新バージョンのAPMは、最適なパラメーターを自動的に判断する「パラメーター調整機能」を搭載するので、調整作業はそれほど難しくはないと思います。でも、その機能は、機体を1回空中へ飛ばさないと機能しません。
 そのため、まずは機体を飛ばせるようなパラメーターに設定しなければなりません。幸いに、MPにはそのようなパラメーターがあります。
 「INITAL SETUP」→「Mandartory Hardware」→「Frame Type」に入ります。そして、右の「Default Settings」で「3DR_QUAD_X4_RTF.param」を選択して、「load」をクリックします。そうすると、パラメーター値が出てきます。確認して、APMに書き込みます。
 これで準備作業はほぼ完成です。バッテリーを充電しておいてください。次の文章では、初めての飛行の仕方とパラメーター調整機能の使用方法を紹介します。

自作無人飛行機作り方ガイド(07-初めて飛行の準備とガイド)

前回の文章の説明では、飛行可能なパラメーターをAPMに書き込んでおく必要があると説明しましたが、ここに問題があります。
 初期設定値では飛行安定性がちょっと低いので、飛ばしにくいですが、パラメーター自動調整機能は、まず機体を飛ばさないと機能しません。しかし、一回も飛ばすことのない初心者では、どうすれば安定性の低い機体を飛ばせることができるのでしょうか。
 このシリーズの文章に沿って機体を組み立てた場合、ここで紹介するパラメーターを使えばいいと思います。
 まず、APMをパソコンに接続して、「CONNECT」をクリックします。「CONFIN/TUNING」→「Extended Tuning」に入ります。もし前回の文章のガイドに沿ってパラメーターを書き込んだ場合、下の画像の設定値が出てくるはずです。
 ここで、赤い四角で囲まれた設定値に変更してください。この設定値は筆者自分の機体を飛ばして自動調整を通してできたものです。
 変更終了後、「Write Params」をクリックします。(パラメーター調整は今とばしましたが、後の文章ではより詳しく説明します)
 次に、本番の飛行に入ります。
 初めての飛行の前、最後の確認をします。
 「FLIGHT DATA」に入って、地平線の動きが機体の姿勢に応じて変わるかどうか確認します。
 停止状態/停止状態解除の操作も確認してみてください。停止状態にすると、地平線の上に「DISARMED」が出てきます。
 左のスロットルスティック(今は一番下にあるはずです)を右へ3秒倒して、放します。
 そうすると、「DISARMED」が「ARMED」に変わって、すぐ消えます。それはモーターが作動することを表します(電源に接続していないので、ここでは作動しません)。何も操作しなかったら、また「DISARMED」に変わります。
 上記のように反応することは、設定完成ということです。右上の「DISCONNECT」をクリックして、USBコネクターを抜きます。
 要注意:ここまでのテストは、プロペラがまだ取り付けられていない状態で進めてください。
 次に、スロットルが一番下の状態で、バッテリーに接続します(プロペラは未取り付け)。
 バッテリーにつながると、モーターがピピッと鳴ります。APMのランプが赤・青に点滅して、しばらくすると赤・紫・青に点滅します。
 スロットルを右下に1秒倒したら、赤・青に点滅します。その時、スティックを真ん中に戻します。
 すると、モーターが遅く回ります。スロットルを上へちょっと倒すと、モーターがスピードアップし、下へ倒すと、スピードダウンします。1/3くらいに倒して、機体を目の前に持ちます(怪我しないようにご注意を)。
 機体を前後・左右へ傾けてみると、4つのモーターは回りスピードが自動的に調整されるように見えます。それは、設定に問題がないことです。
 そして、スロットルを一番下にして、左へ3秒倒すと、モーターが止まり、保護状態に入ります。その時、スロットルを操作しても、モーターが作動しません。
 これで、確認作業が終了しました。バッテリーをフル充電して、飛行可能な場所で飛ばしてみましょう。
 ここで、飛行ポイントを紹介します。
  1. バッテリーの飛行可能な時間は10~15分間くらいです。タイマーを使って、もしくは駆動力が弱くなると気づいた時、バッテリーの交換をします。組立手順を簡単にするために、電源モジュールの取り付けはしていないので、今のところ、APMは電池電圧監視機能がまだありません。リポバッテリーの過放電はバッテリーの不可逆的な損害につながります。要注意です。
  2. 風がないもしくは風が弱い時飛ばすこと。
  3. 人が大勢いる場所は遠慮してください。また、人の頭の上を飛ばすことも遠慮してください。
 今、プロペラを取り付けましょう。モーターが正しく取り付けた場合、プロペラの取り付けにも間違いがないはずです。
 まず、スロットルが一番下にあることを確認します。それから
  1. 送信機をオンにします。
  2. リポバッテリーを接続します。その時、ジャイロが自動的に補正します(ランプが赤・青に点滅。その時、機体を動かさないでください)。
  3. 自動チェックが行います。問題がある場合、赤ランプが点滅します。
  4. 飛行モードを「Stabilize」に。
  5. オートバイロット機能(LoiterやRTL、Drift、オート、オートバイロットモードなど)を使いたい場合、GPSの3Dロックが終了するまで、30秒待ってください。APMの青ランプが点滅することは、GPSロックが終了することです。
  6. スロットルを右下へ5秒倒すと、ジャイロセンサーが初期化します。15秒以上倒すと、パラメーター自動調整モードに入ってしまうので、ご注意を。
  7. スロットルをちょっと倒すと、赤ランプが点滅して、プロペラが回ります。プロペラの回りスピードは「MOT_SPIN_ARMED」の設定値で調整可能です。
  8. 本番にスロットルを倒して、機体を飛ばします。
注意:Stabilize、ACRO、AltHold、Loiterという4つ
のモードのみで機体を飛び立たせてください。
注意:スロットルを一番下にして15秒経つと、どのモードにもかかわらず、モーターが自動的に止まります。
 初心者では、まずはスロットルをゆっくり倒して、機体をもうすぐ飛び立たせそうになるまで操作してみてください。(よくある問題:モーターやAPM、プロペラを反対に取り付けてしまったり、間違っているモードに設定してしまったりした場合、スロットルをすると、機体がひっくり返りそうになります。もしそのような状況があったら、機体を手でしっかり持って、スロットルをして操作して、機体の移動方向を感じてみてください。機体の移動方向が操作方向と反対になっている場合、上記のところを確認してください)
 機体が離陸しそうな時、前後・左右へ操作してみてください。最初はどんな操作をしたら機体にどんな動きが出るか、手と目で確認して、機体操作に慣れるまで練習します。
 地面での操作に慣れたら、今回はスロットルをもっと倒して、機体を飛ばしてみてください。
 機体設定に間違いなく、風のない環境で飛ばす場合、APMは空中で浮かんでゆっくり移動して(移動角度は30度以下)、振動もあまりないはずです。すべての操作はゆっくりにしてください。これからの練習目標は、機体を1階くらいの高さにホバリングすることです。もし何か状況が生じた場合、飛行を中止して問題を解決してから飛行を再開するように。
 飛行終了の時、下記の操作をしてください。
  1. 飛行モードをStableやACRO、AltHold、Loiterにします。
  2. スロットルを一番下に、方向スティックを左へ2秒します。
  3. 赤ランプが点滅している時にリポバッテリーを抜きます。
  4. 送信機をオフにします。
要注意:現段階ではStableモードで飛行します。WayPointモードやRTLモードはパラメーター調整がまだ終わっていないので、それらのモードを使うと、機体がなくなるおそれがあります。
よくある問題:風がない環境では、機体の移動方向が不定です。もしある方向だけへ移動しているという状態だったら、重力加速度の校正に失敗したかもしれません。その場合、MPにつながって再校正してください。校正する時、APMを水平に置いていて、画面上の地平線が水平であるかどうか確認してください。もし水平でなかったら、もう一度校正してください。
 上記の手順を終了して、よく練習して、空中で順調に飛行できるようになったら、次は中級飛行の勉強に入ります。
=中級飛行(GPSを使用)=
 APMの飛行モードにはGPSを使うものが多いです。さっき紹介した「WayPointモード」や「RTLモード」もGPSを使うモードです。それらのモードの使用には、まず設定する必要があります。
 APMをパソコンに接続して、「INITIAL SETUP」→「Mandatory Hardware」→「Compass」に入ります。
 これは電子コンパスを設定するための項目です。下の画像の赤い四角で囲まれた部分を見てください。初期状態の「ROTATION_NONE」を「ROTATION_ROLL_180」に変更します。
 それは、電子コンパスの方向の設定です。もし将来、GPSモジュールを反対方向に取り付ける場合、ここの設定を変更する必要があります。
 上の赤い四角のところは、「磁気偏角」の設定です。初期状態は「Auto Dec Dectlination」です。台北にいる人は、ここのチェックを消して、「Degrees」のところに「-5」を入力してください。
 磁気偏角は地域によって違います。日本やほかの国家の人は、ネットで磁気偏角を調べて、もしくは、チェックを入れて自動感知機能を使ってください。
 もし設定画面に中国語があって、ほかの文字に邪魔するようになってしまったら、下の画像のように、言語を英語に変更してみてください(ほかの言語の翻訳がちょっと変なので、英語のほうがいいと思います)。
 下の画面の設定値は変更しなくてもいいですが、ここで、筆者の設定を紹介します。「CONFIG/TUNING」→「Extended Tuning」に入って、下記のように変更します。ここはWayPointモードに切り替える時、APM補正の範囲と強度の設定です。
 設定終了後、風のないもしくは風の弱い日に飛ばしてみましょう。テストの時、下記の注意事項があります。
  1. 電源に接続して、30秒経ってから飛行すること。
  2. 機体を1階以上の高さに飛ばしてから、WayPointモードに切り替えること。WayPointモードに切り替えると、機体が止まっておらず、変な方向へ移動してしまった場合、すぐStableモードに戻して、電子コンパスの設定を確認してください。
 最近台湾の天候がよくないですが、晴れる時飛行動画を撮ろうと思います。
 上記の設定が無事に終了すれば、この組み立て済みの機体はDJI Phantomと同じような機能を持っているものになりました。値段から見れば、かなり得でしょう。
 次の文章では、電源モジュールやデータ伝送モジュールなどの取り付けを紹介しようと思います。DJI製品では、Wookong-MとA2だけ、グランドステーションに対応します。Wookong-Mはフライトコントローラーのみで値段が30000台湾元で、A2は40000台湾元です。グランドステーションはハードウェアで6000~7000元で、ソフトにもいろいろな種類があって……。機体では、S800やS1000を使えば、十何万~何十万元かかります。
 次の文章を読んだら、お手元のUAVの価値が半端でないことを実感するでしょう!